十月上旬派。各駅停車主義。
20240113
今週から仕事始め.年末の続きの作業をもろもろこなしているうちに,あっという間に一週間が終わる.
結婚式の準備もぼちぼち始まり,結婚式場のシステムに招待客の名簿であったりを入力していく.ほかの結婚式場がどうなのかよくわからないけれど,このシステムがとても使いづらく(新郎と新婦で同時編集ができないとか.わかる,めんどくさいのはわかるんだけど...),フラストレーションがたまる.UIもいまいち行き届いていなくて,めでたそうな金色っぽい,淡めの黄土色を文字色に採用しているのだけれど,それが細めのフォントで表示されるので,background-color: #ffffffに対してものすごくみづらい.これについてはカスタムCSSをあてることにして解決.いまの仕事に就いていてよかったな,と過去一で思った瞬間かもしれない.エンジニアでなくても簡単にできることだし,半分は冗談ですが.
内容と構造と見えが分割されているHTMLの仕組みは便利なものだな,とは改めて思った.印刷物だとこうはいかなくて,だからそれゆえにこそ装丁家の仕事が読者のうけとる情報に対してきわめておおきなプレゼンスを持つことになる.それに対して読者ができるのは,虫眼鏡を使うなり,すこし遠くに本を構えてみることくらいだ.それに比べれば,HTMLはよりhackableなメディウム,読者が手を加えやすいメディウムだということになるだろうか.とはいえHTMLであれば完全にhackableなのかといえば別にそういうこともなく.読者が容易に弄れるのは(弄ってうれしいのは)せいぜい見え(style)についてだけだろう.構造という骨格にあらかじめ担保される限りにおいての自由度だ.書かれた情報が読者に伝達されるそのプロセスにおいて,作り手と読み手がどのような関与を行うのか,そしてその度合いはどうなのか,これらはそれぞれのメディウムで個別の戦いがあるわけで,個々の戦場において個別の読みが現われてくる,としか,最終的には言いようがないのだろう.
…20240108
有休も使って年始は長めの連休だったけれど,それも今日で終わり.このブログも,寝かせっぱなしだったドメインを使うようにしたり,hugoのテーマを違うものにやりかえてすこしリニューアルしたり.盆栽みたいなものか.新しい気持ちで,今年はもう少し書いたり,手入れをしたりすることができればよいなと思う.気になるところは色々とあるので,しばらくは飽きずに続けたい.リッチなテーマにしてしまったので,その分しっかりした実のあることを書かなければならないような圧を勝手に感じてしまっている.まあ,のんびりと.
連休最終日の憂鬱を紛らわすようにすこし自転車を漕ぐ.自転車乗りの人はたぶんみんな感じていることだけれど,自転車という乗り物は路面の影響を大きくうける.タイヤが細いほど接地面が限られていくからだろうか.歩いていると意外と気づかないこととして,アスファルトの路面は案外とでこぼこしていることがある.砂利を流し固められているから当然のことといえばそうなのだが,よく見てみるとアスファルトを構成している砂利の一粒の大きさは場所によってだいぶ違うし,粗ければ粗いほど,自転車乗りはその影響を受けることになる.できるだけスムーズに走ろうと思えば,自転車が走りうる狭い道幅のなかでも比較的マシなところを選んでいく必要がある.まるで登山しているときみたいだ.微地形としてのアスファルト.都度行われるルートファインディング.万事が万事そのような具合だ.
年末に内藤廣の展覧会図録を面白く読んだこともあり,最近の読書は内藤の著作を中心に建築関連が多くなる.いまの職場が基本的にリモートワークなこともあり,自宅で過ごす時間はとても長い.人生の長い時間を過ごしそうな空間は自分にとって納得のいくものであってほしいという思いを抱き,家,欲しいよねえという気持ちが高まっている.資本も資金力もないのでまったく空想の域を出ないけれど….とはいえ,自分が自分の過ごす空間に対して何を求めているのかを知ることは,どんな場所で暮らすのであれ意味のあることだと思うので,空想自体はやめないつもり.
世相は年始から辛いことが続いていて,自分自身の生の根拠も揺さぶられるような心持ち.この世界でこの生をどのように生きるべきか,というのはやっぱり非常に重要な問いだ.自分の有限性を色々な面で感じ始める三十路の年明けであることだよ.
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