20250108

Posted on Jan 8, 2025

年始から気持ち朝型になるよう試みている。まだ誰も出勤していない時間帯はやはり、考え込むタイプのタスクに取り組みやすい。夜あがってから時間がとりやすいのもよい。

年末年始にショシャナ・ズボフ『監視資本主義』(東洋経済新報社、2021)を読み始めた。本文が約600ページあり、まずまずのボリューム感ではあるが、センセーショナルな(やや扇動的な、とも言う)書きぶりもあり、読みやすい。ぼつぼつ読んで今日は第一部が終わったところ。第一部では、著者が「監視資本主義」と呼ぶものについての導入と、巨大IT企業——とりわけGoogle——が、それをどのように見いだし、推し進めてきたかが描かれている。検索エンジンが我々の検索履歴を取得していてそれをもとに広告掲載などが行われている、というのはお馴染みの事実であるわけだが、ユーザー行動を把握すべしという行動指針がWeb空間のみならず実空間にまで拡大していく様というのは、改めてみるとGoogleはすごいことやってるな、と両義的な思いを抱く。人間の行動データを把握したくて全世界中にカメラを載せた車を走らせるというのはかなりぶっとんだ発想であり、それをやってのけるのには感心してしまうのだけれど、プライバシー侵害などを訴える反対運動などに対してGoogleが十分回答したとは言いがたい。ストリートビューカーが行きしな周囲の家庭のWi-fiルータにおける暗号化されていない個人情報を収集していた、というようなことが書いてあり、この事件はよく知らなかった。典拠にされているのは以下の資料のよう。 https://s3.amazonaws.com/s3.documentcloud.org/documents/2109044/disconnect-google-antitrust-complaint.pdf

さらにまた、そのストビューカーによる個人情報収集について担当していたエンジニアは、その後Ingressに関連する開発に携わっていた、という記述もあった。ポケモンGOについてはもう少し後で取り上げてくれるらしい。

ここまで、強固な「監視」体制が築かれ、我々の行動の隅々までがプラットフォームによって把握されている、という著者の主張についてはよく飲み込むことができ、またその否定的な意見についても共感できるところは大きい。先もまた楽しみである。 その一方で、我々が行動を把握されることに対して、どうも嫌悪感をわりと広く感じている、というのは面白いポイントだな、と連想した。僕もWebエンジニアのはしくれであり広告が叩き出す収益に寄生して禄を食んでいると言えなくもないのだが、それはそれとしてブラウザによるトラッキングや露骨にターゲティングされた広告に対しては「なんかヤダ」と感じることが多い。直観的にいえばこの嫌悪感はおそらく「蔑ろにされている」と感じることから生まれるように感じる。「個人情報は匿名化して処理されているので~」などといって注意書きでは納得してもらえない、わりとプリミティブな問題がそこにあるのではないだろうか。 そんなことも頭の片隅に置きつつ読み進めていこう。